僕もインフラエンジニア1年目にLPICレベル1を勉強して取得しました。
それと名前の似ている資格でLinuCというものがあります。
LPICとLinuCは似ているからこそどっちを受けるか迷うところですよね。
こちらのページでは、
- LPICとLinuCどちらを選べばいいのか
- LPICとLinuCの違い
- LPICとLinuCの試験の違い
といったところをわかりやすく紹介します。
この違いがしっかり分かれば、どちらを受けるか気持ちを固めることができるはずです。
LPICとLinuCどっちも同じ?!役に立たないのはどっち?
結論から言うと、LPICとLinuCは現在はどちらもほぼ同じですし、どちらも役に立たないなんてことはありません。
どちらを選んだらいいのかは、
- グローバルにこだわるならLPIC
- 日本語でわかりやすい方がいいならLinuC
と考えると良いでしょう。
こうした理由については、ここから先で詳しく解説していきます。
LPICとLinuCの違い
そもそも、世界標準の「LPIC」という資格ひとつだったのですが、ある事情から、LPICとLinuCのふたつの資格に分かれたのです。
運営機関「LPI Inc.」と「LPI-Japan」の違い
LPICの試験を提供しているのは「LPI Inc.」で、LinuCの試験は「LPI-Japan」が提供しています。
もともとはどちらも「LPIC」だった
現在LPICとLinuCとでは、それぞれ運営機関が異なるのですが、そもそもは、LPIC試験の開発元は「LPI Inc.」であり、「LPI Inc.」のデータベースを元にLPICの試験を日本で提供していたのが「LPI-Japan」でした。
ある事情でこのふたつが分かれたとお伝えしましたが、その「ある事情」というのは、LPI-Japan側から「LPICの試験問題にある不正流出に対する対策・対応においての脆弱性」を指摘したものの、LPI Inc.からは期待する対応が取られなかった、といったもの。
こうしたことを背景に、
LPICの受験をご案内する上で必要となる受験者情報を管理するデータベースへのアクセスがLPI Inc.より2018年8月17日(金)に切断され、新たにLPICの受験を希望する方へのEDUCO-ID(LPIC専用)の新規発行、ならびにLPICの2018年8月16日(受験日)以降の受験結果のご案内ができなくなりました。
※LPI-Japan公式ページより引用
このような発表がLPI-Japanからなされたという経緯があります。
そして現在では、LPI Inc.が新たに日本支部を設立し、その結果、
- LPI Inc.(LPI日本支部)運営の「LPIC」
- LPI-Japan運営の「LinuC」
というふたつの資格となって別々の機関がそれぞれ運営をするに至っています。こうしたことが背景にあるので、ふたつの試験はとても似ているわけです。
LPI Inc.はサイトを見るとわかりますが、外国主導の運営となっているため、ところどころわかりにくい日本語になっているところもあります。
一方、LPI-Japanは日本の機関による運営ですので、日本人がスムーズに利用しやすいといった印象があるでしょう。
こうしたことから、冒頭でも「日本語でわかりやすい方がいいならLinuC」とお伝えしたわけです。
LPI-Japanでの「LPIC」から「LinuC」への移行
LPI-Japanでも以前はLPICの試験を実施していたのですが、2018年8月にこうした出来事があり、現在はLPICではなく、LinuCのみ取得することができます。
これに伴い、LPI-Japanで取得したLPICの資格からLinuCへの移行をすることが可能です。
2018年8月以前にLPI-JapanでLPICの資格を取得していた方は、簡単な手続きでLinuCへの認定移行をすることができます。この手続に期限はありません(ただし、有意性には期限があります)。
また、LPI-Japanでは、以前は2018年9月以降にLPI Inc.でLPICを取得していた人を対象に、LinuC試験を半額で受けられるといったサービスを実施していたのですが、すでに2021年3月31日時点で終了しています。
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LPICとLinuCの試験の違い
LPICとLinuCの違いがわかったら、つづいて試験の違いについて見ていきましょう。
海外ではLPICだけ?
LPICもLinuCも、いずれも日本でも海外でも試験を受けられます。
LinuCは日本に特化した資格、などとよく書かれていますが、海外でも世界約200カ国で受験することができますし、日本国内の英語での受験も可能となっています。
LPICとLinuC試験の受験料の違い
LPICもLinuCも、日本での受験料は同じで、いずれも16,500円/1試験となっています。
LPICとLinuCの試験概要の違い
LPICもLinuCも
- レベル1
- レベル2
- レベル3
の試験があり、この点ではどちらも変わりありません。
レベル1と2はそれぞれふたつの試験に合格する必要があります。レベル3の認定は、レベル3に設定されている3つの試験のいずれかに合格すれば受けられます。
これまでは、ふたつの試験の内容はほぼ違いはなかったのですが、LinuCでは2020年4月に試験内容を大幅に改定、LinuCレベル1 / レベル2 Version 10.0をリリースしました。
LPI-Japanの公式サイトでは、このVersion 10.0リリースで、
技術対象領域を、クラウドを支える仮想化領域に広げる。
オープンソースの文化に対する理解を追加。
システムアーキテクチャの要素を導入。※LPI-Japanの公式サイトより引用
といった特徴を取り入れたと記載されています。
公式では、LinuCを「クラウド時代の即戦力であることを証明できる認定資格」と表現しています。
2021年4月時点ではレベル1とレベル2のみのバージョンアップとなっていますが、今後レベル3の試験もバージョンアップが検討されており、今後も3年から5年を目安にバージョンアップが行われるとのことです。
LinuCもこれからさらにグローバル化が進み、徐々にふたつの試験の違いが広がっていきそうです。
LinuCはバージョン改定で難易度アップ?
LinuCは、2020年4月にVersion 10.0がリリースされたことで、難易度が上がったのではないかという不安がありますよね。
ですがLinuCは、難易度的に大きな変更はされておらず、重要度の低くなった技術を外したり、内容の整理をすることで、より効率的に学びやすくなっています。
LPICとLinuC 資格としての評価の違い
LPICもLinuCも、評価はそれほど大きく変わりません。
いずれもレベル1だけでも持っていれば、未経験からの就職や転職に有利に働いてくれます。
ただし、LinuCのバージョン改定などにより、優位性が変わることも考えられますので、この当たりは今後注目していきたいところですね。
LPICとLinuC 結局どっちを選べばいいの?
ここまで解説してきて、もしかしたらどちらを受けるべきかさらに迷ってしまったという方もいるかもしれませんね。
日本人が受けやすい方といえば、日本の機関が運営し、無駄を省いた改定のなされたLinuCに軍配が上がるでしょう。
一方、英語でも全然構わない、グローバルに活躍したい、といった方はLPICを選ぶのが良いでしょう。
LPICの勉強法については僕が実際に合格した体験記事を載せておきますので、参考にしてみてください。
どちらを選んでも、信頼性のある資格ですので、決断したらあとは心を決めて認定取得を目指してくださいね。